◆税務の処理

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◎ 所得税

  従業員給料については、年の最後の支払いの際に年末調整しなければなりません。従業員数が多いと大変な業務になるので、給与計算ソフトの活用も考慮しましょう。
  個人事業は開業から一番近い12月31日をもって1年度が終了します。その後、決算処理を行なって、2月中旬から3月中旬までの間に税務署に対して確定申告、納付を行ないます。口座振替利用の場合は納付期限が延長されるので、それを活用します。
  この際、気をつけることは、所得税の基本形として個人の所得はすべてまとめて一緒に申告することです。税法で定められた所得区分に従って、それぞれの所得ごとにその所得金額を計算したうえ、申告書に書き出していくことになります。その総合的な所得金額に対して各種所得控除や税額控除を適用してその個人の税額が算出されます。納付済の税額が多ければ還付となります。
  なお、給与所得については、その者に対する主たる給与の支払い者が年の最後の支払い時に年末調整し、一応の所得税清算をしてあるはずですが、確定申告によって清算し直されます。
  給与や年金では源泉徴収票を支払者が発行しますので、申告書に添付します。事業所得などは、自ら計算した決算書等を添付します。

◎ 個人住民税

  市町村民税と都道府県民税を合わせて住民税と呼び、市町村が都道府県民税も併せて徴収しています。通常は所得税申告をすることにより個人住民税申告も終了します(別途申告する必要はありません)。所得税申告用紙は複写になっており、住民税分は税務署から市町村(経由で県にも)に回っていくからです。
  ただし、所得税申告しない場合(所得の額によって申告不要のケースがある)には、別途住民税申告が必要です。源泉徴収されていない所得に関して、住民税申告には所得の額による申告免除はありません。
  前年の所得を根拠に6月頃から新たな税額による徴収がはじまります。納付方法は市町村によって異なりますが年4回、口座振替が多いと思われます。
  なお、従業員給料に対しては所得税と併せて源泉徴収する方法(特別徴収制度)によります。住民税については扶養等の申告、年末調整といった事務は不要で、市町村から送付される通知書により定額徴収(天引)して納付すれば終わりです。

◎ 個人事業税

  通常は申告不要です。所得額により納付すべき税額があれば、県税当局から納付通知があります。原則として8月、11月の2回で分納します。

◎ 消費税

  個人事業においては、事業年度の翌年3月末までに税務署に対して申告納付します。口座振替利用の場合は納付期限が延長されるので、それを活用します。

◎ 法人の場合(法人税・法人住民税・法人事業税・消費税)

  法人が設定した会計年度により申告納付期限が決定します。すなわち、会計年度終了後2か月以内に申告納付します。決算申告業務は結構大変なので、それを配慮し会計年度を決定することもあります。


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