◆事業プランの作成

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 あなたの夢をいかに事業として実現していくかを具体的にあらわしたものがビジネスプラン(事業計画書)という文書です。これは、自分の頭の中の構想を形のあるものにする(文字等に定着)ことで、事業の実現可能性を自分自身で見つめ直すことに使い、また、協力者や金融機関への説明資料ともなります。
 今では“世界のSONY”として世界中でもっとも知名度の高い日本企業の前身、東京通信工業株式会社の設立趣意書は、敗戦間もない社会情勢や今後のニーズを冷静にとらえつつ、創立者井深大氏たち技術者の志と夢をこの会社でどう具体化していくかを情熱をもって克明に記した、先進的な内容のものでした。あなたも是非、読む者に訴えかける、実現可能性を信じられ、夢を共有できるビジネスプランを作り、一人でも多くの支援者、協力者を増やしてください。
 ビジネスプランは第三者の目にさらして納得のいくまで何度でも書き直すことで、立ち上げようとする事業の内容がより見えてきて、成否見込みがはっきりしてくるものです。

ビジネスプランの作成手順は、一般的には以下のようになります。
1.全体の構想、事業イメージを書き出す
  • 開業動機、事業の目的、将来的なビジョン……どういう目的で何をやりたいかをはっきりさせる。事業に対する考え方や熱意、将来的な事業展開を説明するものになる。
  • 市場性の調査……これから始める事業の市場規模、将来性、事業を取り巻く環境などを調査し、プランの裏付けとする。
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2.具体的な事業内容を定める
事業の対象とする顧客はどんな人たちか、提供する商品・サービス・技術はどんなものか、そしてそれらの提供方法をどうするか、対象顧客のニーズにいかにマッチしたものかであるかを説明するものになる。

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3.開業時の資金計画を作る
借り入れについては、第三者の評価やそのときの金融機関の状況などもあり、必ずしも希望どおりの資金調達ができるとは限らない。借り入れ決定額について、いくつかのケースを想定し、それに見合った資金計画を作っておくとよい。

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4.収支計画を作る
開業当初の収支予測と、軌道に乗ったあとの収支予測をたてておくこと。収入は少なめに、支出は多めに見積もっておく。

 ビジネスプランのラフスケッチが出来たら、それを回りの人に見せてあなたのプランを説明し、意見を求めます。紙1枚であれば、忙しい人でも見てくれるはずです。様々な視点からの評価、意見をもらえるでしょう。独善的、利己的なもくろみに終始するのではなく、こうした第三者の視点を取り入れその評価を反映しつつどんどん詳細に内容を詰めていくことで、整合性のある説得力のあるビジネスプランになっていきます。

  財団法人にいがた産業創造機構(通称:NICO)では、ビジネスプラン の評価・助言や専門家の派遣(一部負担有) を行っています。これを活用することも良いでしょう。ホームページには専門家派遣申請様式も掲載されています。
 
 ⇒財団法人にいがた産業創造機構   http://www.nico.or.jp/
 
  また、独立行政法人中小企業基盤整備機構では、中小企業ビジネス支援情報提供サイトとして、「J−Net21」を開設し、中小企業の経営やビジネスに関する情報提供や起業・新事業を考えている方のバックアップをしています。
  
 ⇒中小企業基盤整備機構/J-Net21   http://j-net21.smrj.go.jp/

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