[まちの元気じるし]虚嵩c板金工業:大島商工会(商工連ニュース19年4月号掲載)
![]() |
![]() |
|
有限会社武田板金工業は、平成4年5月に法人化をして、合併後の上越市内を中心に屋根工事・外壁工事をメイン事業として営業しています。業種柄、総合建設業者からの下請けが多く、連携を大切にしながらお客様からも元請業者からも信頼される板金工事を進めています。
工業系の学校を卒業してすぐに、事業を継ぐために父の下で仕事を始めた正也さんは、小さい頃から手伝いをさせられ、知識や技術もこの頃から少しずつ身に付けました。自分が後を継ぐという意識も自然に備わったようです。「親父にうまく仕組まれたな。もう少し違う人生もあったかもしれないな。」という笑顔には、後悔ではなく、今の自分や仕事に対する自信と誇りが伺える表情が感じ取れました。
従業員2名とともに現場に立つ正也さんは、事故に対する細心の注意が欠かせないと話して下さいました。高所での作業は、一歩間違えば大きな事故につながります。作業に入る前には、安全教育のためKYK(危険予知活動)を欠かさず行い、作業中もお互いの連携や意気を合わせることが大事だといいます。
また、競合も多くなっている中で元請業者や施主に信頼される工事をするために“あたり前”に“丁寧さ”を加えることで他社との差別化を図っています。口で言うのは簡単なことですが、実際に現場に立つとなかなか徹底できないことです。すべては、その会社の技術力に通じるところであり、技術を重視し、腕を磨くことで、目に見えないところにも気を配った工事を心掛けています。今はまだ具体化していませんが、独自工法・技術の開発も念頭においています。
![]() |
![]() |
![]() |
冬場は降雪により地元での仕事ができないため、元請業者の仲介により他県での仕事も多くこなしてきました。遠くは広島県まで出向き市民球場の板金工事や、千葉県の幕張メッセの屋根工事にも参加した経験をお持ちのようです。外に出て大きな工事を手掛けることにより、下請け業者との付き合いが生まれ、何よりも色々な業者のノウハウや技術に間近で触れることができ、勉強になることも多くあるそうです。外に出ることにより、単なる出稼ぎではなく、仕事に生かせるものを吸収するという意識が備わっています。
今後の展望を伺いました。現在は下請け工事が6割方を占めますが、業者との関係を保ちながらも、元請としての仕事を増やしていきたいと思っていらっしゃいます。特に住宅建築においては、設計士の図面に基づく施工が行われていますが、屋根工事のプロとしては、ありきたりの同じような屋根に対して、少し不満をお持ちのようです。
金属板の品質も良くなり、これに今まで培ってきた技術を加えることにより、色々な形状の屋根を作ることが可能なのだそうです。当然地域の自然環境も考慮しなければなりませんが、一生に一度といわれている住宅建築に個性を加えて、色々な形の屋根に挑戦したい。と“現場を支える企業”から“提案型企業”への成長と意欲を語って下さいました。