[まちの元気じるし]友家ホテル:湯之谷商工会(商工連ニュース18年11月号掲載)
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創業約50年になる友家ホテルは大湯温泉の中ほど、佐梨川に沿って建てられています。昨年6月には、この佐梨川の清流を身近で感じていただけるようにと“龍神の湯”の改装を行いました。今では湯ぶねにつかりながら、清流を眺めることができます。“龍神の湯”という名前には不思議な由来があるそうです。「詳しいことはホームページで確認してくださいね。」と話して下さいました。
温泉が自慢のひとつという当館は、2つある貸切り風呂を予約なしでお使い頂いているそうです。「予約制にしてしまうと時間に縛られ、ゆっくりと寛いでいただけませんから」とお客様を第一に思ってのシステムにしてあります。
旅行に出掛ける楽しみの一つに「どんな料理が出てくるのかな」ということがあります。しかし、どこに出掛けても同じような料理が並ぶという不満が存在するのも事実です。このギャップを旅館本位の料理作りにあると感じた当館は、お客様に「より美味しいものを召し上がって頂きたい」と考え、すべて手作りで心を込めた料理を提供しようと取り組んでいます。
部屋での食事を基本にしているため、カウンター割烹のようにいきませんし、本当の会席膳のような料理の出し方はできませんが、残さず食べていただいた料理を見て「満足いただけたかな」という安堵感を覚えるそうです。
利用頂いたお客様からは、朝食も季節の食材を取り入れた手作りの料理を部屋に運んでいただけるので、大変評判が良いと聞こえてくるようです。
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お客様に、ゆっくり・のんびり過ごしてもらいたいという当館には、“湯上り処”と名付けられた湯上りに寛ぐ空間が用意されています。又、短編小説や雑誌、マンガ本などもたくさん本棚に並び、滞在中に自由に読んで頂いています。
リゾートでのんびり過ごすことが趣味だというご主人とともに目指すのは、リゾート地としての大湯温泉「友家ホテル」です。施設は年を追うごとに老朽化してしまい、ゆっくり・のんびり過ごしてもらうために修繕したいところもあるようですが、ご主人の存在を軸として、従業員との和を保ちながら笑顔を絶やさず接客することでファン作りに努めています。
当館へ嫁いで若女将となったあずささんは、全く知識のなかった旅館業界に入り、苦労もあったそうですが、その中で今までの人生経験が、この仕事にとても役に立ったとも話して下さいました。お茶やお花の習い事は、おもてなしや館内の装飾に役立ち、アルバイトで販売員やウェイトレスを経験したことも商品包装の仕方や給仕に結びついたそうです。
「“旅館業はこうあるべきだ”ということはあまり深く考えません。思い悩んでも気分が滅入るだけで何の解決にもなりません。もともとのんびり屋なのかな。」と話す若女将の身振りや話し振りは、とても自然で心和らぐ印象を受けました。
旅立つお客様に「またお越しくださいね。」と声を掛け、返ってきたのは「細かいところまで気を遣っていただいて・・・また泊まりにきますね。」という言葉。玄関先まで見送るお客様との間にほのぼのとしたアットホームな雰囲気を感じました。