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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし] 八 千 代
名立商工会(商工連ニュース21年6月号掲載)

新潟県上越市名立区は、県南西部の日本海側に位置し、糸魚川市とも隣接しています。
国道8号線沿い、同市名立区にある観光施設「うみてらす名立」は、年間40万人超の来館者が訪れ、2008年8月8日に、道の駅・新潟県第34号に登録されました。
今回は館内で飲食店を営む「八千代」をお訪ねし、ご主人の松井正さんにお話を伺いました。


松井さんご夫妻
  八千代
    (うみてらす名立内)
   営業時間:10時〜18時
   定休日:第二水曜日(8月を除く)


  949-1602
   
新潟県上越市名立区名立大町175-8
    TEL:025-537-2232

好きこそものの・・・

八千代は、昭和31年に母の千代さんが小料理屋を開いたのが始まりでした。ご主人の代になり、定食や地魚料理などをメインにした食事処へと衣替えをしました。
「もともと料理が好きだったのと、子供の頃から親の働く姿を見てきたので、自然とこの道に入りました。店舗を新築したのが今から24年前。ちょうど末娘が産まれた時で、店は夫婦だけで切り盛りしていたので手が足りず、本当に大変でした。わんぱく盛りの子供達は、常連のお客さん達に育ててもらったようなものかもしれませんね。」と、当時を懐かしそうに話してくださいました。

選び抜いた食材

2000年のうみてらす名立オープンの際に、地域観光の一助になるならとテナント募集に手を挙げました。現在、従来店舗は宴会など予約の方のみとし、館内の店舗を主に営業しています。
ご主人自ら漁港で買付けてくる鮮度抜群の食材で、地域の特徴を活かした料理が出来上がります。中でも、七種類の魚貝が盛られた「漁師丼」は味はもちろんのこと、彩りも鮮やかな一品。その他カニのむき身をトッピングした「海鮮ラーメン」など、磯の香り漂うメニューを堪能することが出来ます。

母譲りの料理の腕前。それと並ぶように絵を描くのも得意で、名立名産のアワビを使った駅弁ならぬ、道弁あわびめしの掛紙のデザインもご主人によるものです。
「絵はただ好きで描いているだけ。」と謙遜しますが、センスあってのものであり、いずれにも秀でた才能が発揮されています。

 


漁師丼

店内カウンターの様子

支え合い、助け合い

宴会がある日は、二つの店舗を行き来し大忙しです。施設休館日が年に11日しかないため、なかなかゆっくり休む日も持てません。
しかし、多忙な毎日にも係わらず、疲れ知らずなご主人。還暦を迎えたとは思えない若さの秘訣は、気の合う“わるい”仲間と頂く美味しいお酒のようです。それが健康のバロメーター。明日への活力になっているのかもしれません。
「自分は商工会の役員や他の会の役なんかもあって、何かと店を空けることも多くてね、女房には苦労をかけています。たまに近くの温泉へ出掛けるくらいで、もっと休みたいだろうに、本当によくやってくれています。」と、奥さんへの労いと感謝の気持ちを言葉にされました。

名立発「四彩海鮮」

四季折々に山海の恵みが楽しめる名立区。積極的にその魅力を発信していこうと、一昨年、商工会と観光協会が、うみのまち名立四季料理「四彩海鮮」を企画しました。これは、参加する飲食店それぞれが、季節限定のメニューを考え、自店で提供するというもの。八千代を始め、各店で好評を得ています。
「この企画がいいきっかけになりました。自分一人で何か考えても、PRに限度があるし、伝わり難いところがありますからね。今こんなのをやっているから、名立の魚で一杯やろうよ!と声も掛けやすい。またアレやらないの?と聞かれることもあって、次回を楽しみにしているお客さんもいます。嬉しいですね。」と話してくださいました。

今後についてお聞きしたところ、「現状維持ができれば…。」とおっしゃり、両方の店の特徴を活かしつつ、両立していけるような妙案を模索中といったご様子でした。
様々な企画に創意工夫を加え、地場の魅力を広めていくことで、地域の潤いと、今後益々の商売繁盛が期待されます。