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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]松之山温泉合同会社 まんま
松之山商工会(商工連ニュース21年2月号掲載)

新潟県南部に位置する十日町市は、平成17年4月に近隣4町村と合併して新十日町市が誕生しました。
その中のひとつ、松之山地域には棚田などの美しい風景が広がり、近年新たな観光スポットにもなっています。
今回は、日本三大薬湯のひとつでもある松之山温泉に設立された「まんま」をご紹介します。

  松之山温泉合同会社 まんま

 〒942-1432
 新潟県十日町市松之山湯本49-1

  TEL 025‐596‐2114
  FAX 025‐596‐2117
  URL http://manma.be/
新源泉をドラム缶風呂で 代表  柳 一成さん

“らしさ”をプランニング

松之山温泉合同会社「まんま」は、平成20年4月に地元有志らが立ち上げた旅行会社です。
「ないものねだりをせず、今あるものの活用」をコンセプトに、松之山そのものを楽しんで頂こうと、自然体験や田舎体験、タクシー観光等をオプショナルツアーとして企画販売しています。

そもそものきっかけは、地域活性化支援で行なわれたリサーチ結果で、「松之山の知名度の低さに衝撃を受けたため」、と話す代表の柳さん。
更に、宿泊客へのアンケートでは、温泉や景色への満足感の反面、観光案内の不足や食材への要望等の声が寄せられたそうです。当時、松之山温泉組合長だった柳さんをはじめ、組合メンバーは、せっかく得たそれらの声を何とか活かしたいと議論を重ね、地の利を生かした企画を目的とする着地型の旅行会社設立にたどり着きました。
この企画を利用された約8割の方が連泊のお客様で、「もっとゆっくり色々楽しみたかった。」との声も多く、より地域を満喫して頂けるように滞在型での来訪をお勧めしています。

魅力の再発見と創出

その土地ならではの田舎料理は、暮らしの知恵や地域の伝統が込められている貴重なもの。
食に限らず、土地の魅力は長く住んでいるからこそ気付かないことも多いようで、活動を通して柳さん自身も再認識したと言います。
地元の子供達が参加する農業体験等では、「まんま」メンバーによる棚田レストランが開かれ、地域の魅力を再発見することにも一役かっています。様々な活動を通して、自然の営みの大切さなども伝えていきたいと考えています。
専門家のアドバイスを仰ぎながら、地域食材の発掘や新メニューの開発も進めています。更に、松之山温泉を活用した無添加化粧水[松之山ミスト]を販売し、評判は上々です。
土台にある地域の伝統を守りつつ、視点を変えることで、また良いモノが出来るのではないかと期待に胸が膨らみます。
 
 

大変な時こそ、行動しよう

地元温泉組合の結束があるとは言え、同様の事例が少ない中でのご苦労もあったと思います。心境についてお聞きしました。

「いくら素晴らしいものがあっても、知っていただかなければ無いに等しい。」の言葉通り、知ってもらわなければ、良さを伝えることも出来ないわけで、大切なのは伝える事なんでしょうね。設立後は自分達から積極的にプレスリリースをするようになりました。実は、これは今まで誰もやろうとも思わなかったことで…。こちらから発しないことが奥ゆかしいと思っていた節もあったかもしれませんね。でも、待っているだけでは変わらない。動いたから必ず上向きになるわけではないけれど、大変な時こそ行動することが大事だと、自身にも言い聞かせてやっています。行動が出会いに繋がり、その出会いがまた次の流れへと繋がっていくことを身を持って知ることが出来ました。」と話してくださいました。

地域との橋渡し役に

今後の活動の抱負について聞かせてください。

松之山を知るきっかけになっていければいいですね。ただ、たくさんの方が松之山に来てくれればいいのかと言うと、そうではなく…。その辺の兼ね合いが難しいところですが、我々がお伝えしたい地域の魅力を十分理解してくださる方々からお越し頂けたら嬉しいです。当然会社として成り立たなければいけませんが、旅館や地域の人達との橋渡しになれればと思っています。
「まんま」というバスはゆっくり動き出しましたが、賛同したい!と思ったらいつでもメンバーに入ってもらえるような体制になっています。この先、長い目で見て、「入ったからいいことがある。」のではなくて、「入らなくてもいいことに繋がる。」そんな方向へ進んでいきたいですね。」と語っていただきました。

「まんま」設立で再認識した魅力。日本の原風景とも言われる松之山その“まんま”の姿が、これからも守り続けられていく予感がします。