Tokamachi Center Web    

商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]大和屋菓子舗:高柳町商工会(商工連ニュース19年9月号掲載)

柏崎市高柳町は新潟県のほぼ中央に位置し、自然豊かな地域です。平成17年5月に柏崎市へ編入合併し「たかやなぎまち」から「たかやなぎちょう」へと名前が変わりました。 高柳町岡田地区は、別名「ひょうたんむら」と呼ばれる瓢箪(ひょうたん)の産地で、毎年3月にはひょうたん祭りが開催されます。瓢箪は昔から無病息災(六瓢)と言われ、軒下に吊るしておくと病気にならない、腰に提げているとケガをしないなどの言伝えがあり、家々の玄関先には瓢箪で作られた表札が掲げられ、ここを訪れる人の目を引きます。
今回は、高柳町の『大和屋菓子舗』さんをお訪ねし、大塚さんご夫妻にお話を伺いました。


大塚さんご夫妻
大和屋菓子舗
〒945‐1352
新潟県柏崎市
安田1790−2

TEL:
0257−41−5111

(H25店舗移転により、住所・電話番号を変更しました)

信頼の気持ちに応えて

「大和屋」は元々、兼業により冠婚葬祭用の引き菓子などを作っていたのが始まりで、ご主人の和成さんで四代目。若い頃は普通の会社員になることも考えたが父親の背中を見ているうち、自然に家業を継ぐことを決めたと言います。約18年間の修業を積み、結婚してから数年後に家にもどり、奥様・ご両親とともに様々な和洋菓子作りに専念されてきました。
 商売でも何でも信頼が何よりも大切であり、決してそれを裏切ってはいけない。食品は口にする物だから尚更、安全な食材選びは怠れない。その中で上質な素材を使い、長年、自分が納得のいく菓子作りをしてきた。それが信頼に応えることだと思っている。手作業には限界があり、機械による作業の効率化も認めつつ、肝心な工程は人の手に懸かっているので一時も気は抜けないと話す主人は少し厳しい表情を覗かせます。
 いいモノを作って提供し、ただ喜んで召し上がって貰いたいだけ。それが後々の結果となって表れてくれればいい、とご主人はおっしゃいます。

ほんのり・じょんのび・まんじゅう

 大和屋の看板商品「ほんのびまんじゅう」は、地元の名水などを使った、ご主人の自信作です。見た目はシンプルで艶のある黒糖色。一口食べると想像以上にもちもちした食感があり、甘さ控えめなので餡子が苦手な人でも食べられると評判の一品です。美味しさは口コミでも広まり、週末は市外から訪れる方も多く売切れる程です。
 可愛らしいネーミングは、詩人の宗左近氏が食された時の感想「ほんのり温かみのあるおまんじゅう」と地元方言の「じょんのび(心地よい等)」から命名。今や高柳の名物となりました。

高柳で、じょんのびと

 ご主人がお菓子作りに携わって35年。誕生した「ほんのびまんじゅう」は高柳だけの限定販売です。店舗以外の販売は地元温泉施設じょんのび村のみ。評判が評判を呼び、商品を卸して欲しいという依頼や近頃ではインターネット販売の誘いもあるそうですが、全てお断りしていると言います。手を拡げすぎて地元のお客様に食べて頂けなくなっては困るからと奥様。ご夫婦ともに自分達で賄える範囲でやっていきたいとの考えで、多店舗での販売は望んでおらず、あくまでも高柳の地に拘っています。
 遠方から訪れる方は皆さんその足で高柳散策を楽しんで行かれるのだとか。恵まれた自然はもちろんですが高柳には他にもいい所がたくさんあるので、来店をきっかけに多くの方から高柳の良さを知ってもらえたら嬉しいです。それが地域の活性化に繋がれば、皆が幸せになれますしね。と奥様は地元への想いを話してくださいました。
 店頭には他にも、生どら・ロールカステラ・サブレ等たくさんのお菓子が並べられています。国道252号線沿いにある住宅兼工場でもあるお店は「ほんのびまんじゅう」の茶色いのぼりが目印です。


お薦めの逸品

ほんのびまんじゅう

和洋・親子のコラボレーション

 二人の息子さんも立派に成長され、現在、ご長男は柏崎市内のお菓子屋さんで修業に励んでいるそうです。そして来春からはご主人の長年の夢でもあった息子さんとの二人三脚が始まります。本心では息子達に後を継いで欲しいと思っていたが強いるつもりはなく本人達の意思に任せていたとご主人。長男がお菓子の道に進んでくれて嬉しかったとも言い、肩を並べてお菓子を作る日が今から待ち遠しいといったご様子で、ご夫妻の満面の笑みが今後ますますの飛躍を予感させます。