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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]樺r田機工:与板町商工会(商工連ニュース19年6月号掲載)

長岡市与板町は、三島郡の中心地として栄えてきました。西部の三島丘陵と東部の信濃川に挟まれた中央部に市街地が発達し、城下町特有の鍵形の道路が南北を縦断しています。
今回は中之島町から与板町へ工場を移転し、精密板金加工を中心に、最高品質の商品提供を目指す「株式会社池田機工」の代表取締役池田則正さんと常務の真理子さんを訪ね、お話を伺いました。

株式会社 池田機工
住所:
新潟県長岡市与板町本与板3005

TEL:0258−72−4800
FAX:0258−72−4801

URLhttp://www.ikedakikou.ecnet.jp/

建築金物製造から精密板金加工へ

 株式会社池田機工の源は現在常務を勤める奥様の内職から始まっているそうです。仕事が増えるとともに従業員を雇い入れ、工場も建てました。平成6年には、自宅に隣接した工場から現在地へ移転し、新工場を建設しました。当時は建築金物の製造が中心でしたが、中国との生産競争が市場でクローズアップされ始めたころ、先行きに不安を感じた社長は、新しいものに挑戦したい、自分で何かを作り上げたいという思いから、板金加工を手掛けました。ちょうど二千円札が発行されるのを契機に、板金加工業として本格的な取引が始まり、精密板金加工分野を増設して現在の基盤が出来上がりました。

キッカケは端財の有効活用

 当社は、【商品の新たな生産又は販売方式の導入】という新たな取組みで、平成16年度に経営革新計画の承認を受けています。取組みのキッカケは、板金加工において大量に排出される端材がもったいないという思いからだったそうです。これを有効に活用・再利用することによって付加価値を向上し、利益に結び付けたいという思いが強かったようです。
 自分たちで作ったオリジナル商品を世に送り出したいというものづくりの熱意が加わって作り上げた「表札」や「ネームプレート」などのサンプルが評価され、計画の承認を受けました。現在はまだ既存取引業者からの仕事が9割方を占めますが、技術やノウハウを蓄積しながら、ステップアップに備えています。

社員にやる気と自信

 経営革新への取組みにより、社員のやる気の向上につながり、自信に結び付いたそうです。経営者も社員と同じであり、社員も経営者と同じ立場であると考えて営業展開をしている当社は、お客様の要望を形にしていく段階で、社員一人ひとりが自分の作った(加工した)商品を次の工程に携わる社員に売るという心構えで仕事をしています。すべての工程がひとつの商品として顧客満足の追求に係わり、お客様の喜びと評価が、全社員のやる気と自信を引き出しているようです。

製造販売メーカーの確立

 会社のホームページで「他利自利」という言葉を見つけました。「あなたが先に儲けてください。その後 私が儲けます。」という造語で、これが基本理念だそうです。いろいろな情報を得るために、セミナーや会合に出席して企業間の付き合いを大切にするとともに、東京圏でのマーケティングや営業展開も考えています。顧客のことを第一に考え、予てから考えているオリジナル商品の提供に向けて、製造販売メーカーとしての地位確立を着々と進めています。

世間に認められる企業へ

 最新の機械を導入し、その性能を十分に発揮して最新の技術を提供するには、バイタリティのあふれた若い力が必要であるといいます。社員45名、平均年齢36歳というこの会社にはそれが備わっています。「職人技を否定するわけではないが、ものづくりにおいては近代設備にかなわないところがある。それと同時に時代の流れを考えると誰が作っても同じものが出来るという  “ものづくりの標準化”が求められているのだと思う。 “この会社に任せれば大丈夫”と思っていただけるようお客様や社会の信頼を得て、世間に認められる企業を目指したい。」と語って下さいました。