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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]汲オみず屋:板倉商工会(商工連ニュース19年2月号掲載)

上越市板倉区に店舗のある汲オみず屋は、食料品や雑貨を扱うスーパーです。生鮮食品に特に力を入れ、お客様とのコミュニケーションを大切にしながら、一味違う店舗経営をしています。
なぜ、このスーパーにたくさんの人が集まるのか、社長の清水清之進さんを訪ね、お話を伺いました。

有限会社 しみず屋
新潟県上越市板倉区山部字西沖1−103

TEL:0255−78−2184
FAX:0255−78−2415

経験を生かして創業

 学校を卒業してイチコスーパーで働いた清水社長は、19歳で家に戻り、自分で商売を始めました。結婚後は奥様と二人で、約100坪の店舗を切り盛りしてきました。平成8年に従業員を初めて雇い入れ、10年4月には自宅前の店舗から現在地へ移転しました。
 立地は決して良いとは言えません。住宅街にあるわけではないし、郊外店の多く立ち並ぶ商業地でもない。田んぼの中にぽつんと立っているというイメージですが、これまでに地元の方や多くのお客様、従業員に支えられてきたという店舗には、平日の午後2時くらいでもたくさんの買い物客が集まり、店には活気があふれています。

商売の五つの基本

『商売は難しいものではない。商売の基本は五つであり、これを守っていればうまくいく。@ウソをつかない。Aあせらない。B威張らない。C欲張らない。D一生懸命努力をする。』これが社長の持論です。
 例え話をしてくれました。
お客様が「これ、無効では100円で売っていたよ。ここでは110円じゃないか。」と言ってきたとします。「今は原価が高いんですよ。内の経費を合わせたら110円じゃなきゃやっていけないんです。勘弁して下さい。」と正直に説明する。
 しかし、ここからが大事、情報を得たら、それに近づけるように努力をすること。その場をしのぎ100円で売ったとしても、長くは続けられない。続かない行為はウソになり、やがてお客を失ってしまうということです。
 ちょっと売れると威張りたくなり、欲張りたくなりがちですが、自分の足元を見ないで商売をしていると、気付いた時には手遅れになってしまう。と話して下さいました。

人の器の大きさとは

 店の大きさは、経営者の“能力(器)”で決まる。“器”というのは“信用の量”である。それでは“信用”はどうやったら得られるのだろうか、“我慢すること”である。我慢ができて、信用があがり、その人の器が大きくなっていく。
 スタッフの力も大事である。経営者よりも大きな能力を持っている従業員はいない。いたとすれば、そこから去っていくだろう。店としては従業員も大きく育てなければ発展しない。経営者の能力が小さければ従業員はそれ以上に大きく育たない。お互いが大きくならなければ繁栄につながらない。
 まず社長自らが努力を怠らず、自分の器を大きくしていくことで、やがて右腕、左腕となる人材が育ってくる。店も少しずつ大きくなっていくものである。と成長の源を話して下さいました。

現場第一主義

 企業には存続することと地域貢献することの使命がある。従業員の生活もかかっているから存続のためには、身内の後継者に拘らず、器のあるものがあとを継げば良い。
 地元で働きたいと思う人が集まり、自宅で作って余った野菜は、従業員や地域の方にもココで売ってもらっている。店を有効に使ってもらい、みんなの店づくりをしたいと考えている。従業員もお客様も問屋も関係はみな五分と五分。言いたいことは言わせてもらうし、感謝をする気持ちも忘れない。
 “言って聞かせて、やって見せて、半分できれば良い。”という言葉がある。経営者自らが実践しなければ分かってはもらえない。
 できる範囲を少しずつ広げていくことで、どこまで自分を大きくできるか。努力し続けることで目標や夢がかなう。と、これからも現場に立ち行動していくことを力強く語って下さいました。