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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]食事処 しょじょじ:越路町商工会(商工連ニュース18年2月号掲載)

昨年4月に長岡市と合併した旧越路町は、越後平野の南西端に位置し、地域の東部を信濃川、中央部を渋海川が流れ、これらの川に挟まれた三角州を中心に発達してきました。
JR信越本線や国道351号線・404号線を交通の動脈とした当地域で飲食店を開業した西澤忠夫さんを訪ね、お話を伺いました。

食事処 しょじょじ
住所:新潟県長岡市飯塚2172-1
TEL 0258-92-5219
営業時間:10時〜21時
定休日:毎週水曜日(1日・8日は営業しています)
URL:http://www.syojoji.jp/

夢をかなえて創業

 東京で25年間修行を積んだという西澤さんは、銀座天國(ぎんざてんくに)日本橋高島屋店の料理長を務めるなど”天ぷら”一筋に料理の道を歩んできました。料理の世界に入った時から、料理人として、いずれは「自分の店を持ちたい」という夢を持ち続け、郷里の越路町に戻り飲食店で働きながら、「今がんばらないと」と思い立ち『食事処しょじょじ』を開店したのが平成16年12月になります。店舗建築中に中越大震災に見舞われ、開店予定が遅れるなど思いがけない苦労もあったようです。

江戸前天ぷら

 お店で揚げている伝統の”江戸前天ぷら”についてお聞きしました。「江戸前」という言葉は、東京湾で獲れる魚介類を使い、これに独自の料理技法が加わって、天ぷらや寿司などで広く使われるようになったといいます。江戸前天ぷらの特徴は揚げ方とタレにあり、食の素材を活かすために薄ごろもで揚げ、サクッとした歯ざわりのなかに旨味を封じ込めます。20店以上を修行して歩き、自分の味を作り上げたという自慢のタレは甘辛の味付けに仕上げていると話して下さいました。

和洋を取り入れた店づくり

 お店に入ると壁一面に大きく描かれた西洋画が出迎えてくれます。ここに天ぷらに由来が記されています。幾つかの説があるようですが、交易のため長崎の寺に投宿していたポルトガル人やスペイン人が料理していたものをまねて日本に伝わったと書かれています。スペイン語の「寺(テンプロ)」がなまり、やがて「てんぷら」になったということです。
 もともと西洋料理ですから和洋を織り交ぜた店づくりにし、平日のランチメニューにも和洋を取り入れ、ハンバーグに刺身や煮物をつけているといいます。「店舗を作るときに”和”にこだわった高級な店づくりは考えられなかった。気軽に入ってもらえるように遊び心を交えた店づくりにして、おいしいものを安価で食べていただき、それからまたお客様の意見を聞きながら、店づくりをしていきたい。これからまだまだ色々なカラーが出てきますよ。」と話して下さいました。

居心地の良さを提供

「料理にはいつも心を一緒につけてお出ししています」という西澤夫妻は、家族連れで気軽に寄れるお店にしたい。小さなお子様連れの方にも寄って頂ける居心地の良いお店にしたいと話して下さいました。宝徳山稲荷大社のふもとにあることから参拝者など広い地域からお客様がいらっしゃるそうです。「お店作りは素人ですから、うまくいかないところもあります。」と奥様。テーブルに飾られている花はお客様や従業員が持ってきてくれたものといいます。居心地の良いお店づくりが共感を生み、暖かみが感じられました。

食を通して感動を

 食べるものを通してどうしたら感動を与えることができるだろうか。この一心で食材にこだわりを持ち、地元で採れた野菜や果物はもちろんのこと、良いものは遠くからでも仕入れるといいます。天ぷら職人として誇りを持つ西澤さんは、固定概念にとらわれず新しい素材もどんどん取り入れているそうです。「職人ですから、食べた時に”これはいける”と直感で分かります。」好評であったと聞く、”いちごの天ぷら”をはじめ、今までに季節に採れる旬なものとして、柿・イチジク・ぶどう・トマトなどを天ぷらにしたそうです。時には遊び心と物珍しさを交えながら、気持ちを込めた料理を提供する『食事処しょじょじ』さんのお話を伺いました。