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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]革工房 SLOW HAND:刈羽村商工会(商工連ニュース17年12月号掲載)

刈羽村は新潟県のほぼ中央の日本海側に位置し、JR越後線や国道116号線、北陸自動車道などが走り、交通の便利なところです。西側は砂丘地、中央は平坦地、東側は丘陵地からなり、防風林を兼ねた松林と砂丘畑からは良質な湧き水が得られ、村の大切な水源となっています。
今回は刈羽村に在住し、柏崎市内に店舗を構える革工房 SLOW HANDの山崎章さんを訪ね、お話を伺いました。

革工房 SLOW HAND
住所:新潟県柏崎市東本町2-7-42 1F
TEL/FAX 0257-20-7377
URL:http://www.slowhand-web.com/

理容師から新業種へ

 山崎さんは家業である理容店を継ぐため、理容師として30年ほど父親とともに仕事をしてきました。もともとパーマなどに使う薬品が合わず、手荒れなどには苦労をしてきたといいます。今の業種に転換するに至る経緯には、自分にはどうすることもできないアレルギーにより長年「理容師を辞めようか」と思っていたことと趣味にしていたバイクでハーレーに乗り始め「レザークラフト」を知ったことがきっかけとなりました。変えようと思っていても変えられない自分にとってこれが最後のチャンスという決意があったようです。2000年春に自らホームページを作り、秋には柏崎市内へ出店しました。当時を振り返り「やると決めてからの一年はレザークラフトに集中し、やればできるということを実感した」と話して下さいました。通信講座で手作りの基本を学び、人のつくった品物を見て研究し、自分なりに工夫を凝らしました。パソコンもこの時初めて購入し使い始めたといいます。

すべてがハンドメイド

 オリジナルレザー製品の素晴しさについて「リペア(修理して使う)を繰り返して長年使えること」と話して下さいました。開業当初「経年美化」をキャッチフレーズにして商品を紹介したといいます。出来たときは同じ商品でも、持つ人の使い方によりヤケ具合やカタチなどが変わり、二つとないグッズに仕上がっていきます。自社製品のリペアに無料で対応している山崎さんはリペアを持ち込むお客様を楽しみにしているとも話して下さいました。また、オリジナル性をより求める人には好みのパーツを組み合わせるなどカスタムメイドにも対応しています。オーダーメイドを希望するお客様もいらっしゃるようですが現在は工程や価格という点で対応はしていません。「全てが手作りだから納得できるものを提供したい。そのためには同じ工程を何回も繰り返し、コストがかかってしまう。時間が掛かり非常に高価なものになってしまうので今はお断りしています。」という。

ライフスタイルの提案

 最近注目されているものに「スローライフ」や「LOHAS(Lifestyles Of Health And Sustainabilityの略)という言葉がある。ゆっくりとマイペースに自分の満足する時間を過ごすことや環境保護と健康を最優先し、持続可能な社会の実現を重視したライフスタイルを示す言葉である。手作りにより何度もリペアしながら長年使えるレザークラフトを扱う「SLOW HAND」にはこれからのライフスタイルへの思いも込められているように感じます。

カントリーダンス

 店舗内のイーゼルにカウボーイスタイルで踊っている写真が何枚か展示されていました。イベントでカントリーダンスを披露した時のものです。自らレッスンビデオにより踊りを学び始めた頃、大阪で行なわれたイベントに「早撃ち」で参加をされました。この時にビデオを作製したカントリーダンスのチームと知り合い、その影響を受け「サンセットライダーズ」というチームを結成したといいます。これがキッカケで多くの人とのつながりが生まれました。人の輪が広がるということは素晴しいことだと思います。

ウェスタン雑貨専門店として

 現在は貸し店舗による営業ですが、将来は自分の店舗で営業をしたいと話して下さいました。昨年の中越大震災で自宅は被害にあわれたそうです。一時は精神的に滅入っていましたが、仲間に元気付けられたこともあり、今は将来に向けての夢を持っています。ウェスタン雑貨を扱う専門店として、こだわりを持ち、人の集う新しい店舗のオープンが待ち遠しく感じました。