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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]新潟部品株式会社:栃尾商工会(商工連ニュース17年11月号掲載)

栃尾市は新潟県のほぼ中央に位置し、周辺市町村との協会はすべて山脈で隔てられています。市内には清流刈谷田川が流れ、四方を山で囲まれた盆地状をなし、南部、西部の山岳地域は県立自然公園に指定されています。産業構造は第二次産業の就業人口が多く、第三次産業への依存度は低くなっています。
今回はこの栃尾市でワイヤーハーネスを製造販売している新潟部品鰍訪ね、長藤隆二会長、熊切東海雄社長にお話を伺いました。

新潟部品株式会社
 住所:新潟県栃尾市北荷頃78−3
 TEL 0258-52-3313
 FAX 0258-52-3177

会社の概要

 新潟部品鰍ヘ、平成元年9月に設立されました。当初は廃校となった校舎を利用して工場を設置し、平成5年11月に新工場に移り、現在に至っています。この間、平成2年に安田工場、平成16年に三条工場を設置し事業を拡大しています。ワイヤーハーネス(自動車用組電線)の製造・販売を行なう当社は、矢崎総業鰍フ系列に入り、前工程において電線の切断やジョイント、後工程においてエンジン、フロントなどの各部位の組み合わせが行なわれ、一貫生産体制のもとで生産せいています。近年の車は多様化・電子化が著しく、情報回路の血管としてワイヤーハーネスの果たす役割は大切なものとなっています。そのため確かな技術が必要となり、軽量化や環境に配慮した材質などが求められます。人命にも係わる車ですから品質管理は特に厳しくしています。

トップダウンによる経営方針

 ラグビーでよく使われる『One for All All for One』をスローガンとして「基盤」→「挑戦」(「変化に即応出来る共通基盤のレベルアップ」「自力でチャレンジ」)の方針が掲げられている。すべては人が中心で人財を育成し、知識を蓄積させながら管理の質・物を作る質を高めていく。またその知識を基に改善活動や新規事業などへ自力でチャレンジを目指していこうというものです。この社長方針を各部署で展開し、具体的に数値化して目標を立てていきます。変化のサイクルが短くなっている昨今においては、その変化にいち早く対応したトップダウンによる方針決定が欠かせないと話して下さいました。

介護センターあゆみ

 当社は、平成13年4月に安田工場において、民間初の介護保険事業者として「介護センターあゆみ」をスタートさせました。地域に密着・貢献できる事業者を目指しての新事業展開であるとともに製造業の海外進出による国内産業の空洞化対策も含まれています。生産拠点の国外移転により生まれた余力の人材や施設を有効に活用するという狙いがあります。15名のスタッフのスキルアップと技術向上のため教育訓練に力を入れ、社内における定期的な研修、教育や介護援助についての実技練習、また行政や関係機関が行なう外部研修にも参加しています。ここにも人財育成の経営方針が明確に現れ、具体的なケースについてお互いにどうしたらよいかを実務的に研修し、質の高い画一的なサービス提供を目指すという姿勢につながっています。

食品リサイクルへの展開

『もったいない』という言葉の意味を「そのものの値打ちが生かされずに無駄になるのが惜しい」とする当社は、世界に対して・地域社会に対して何ができるかを考え、栃尾市の総合計画の中にあるゴミの減量・リサイクル推進と環境保全型農業の育成をあわせた「食品リサイクル事業」への進出を2年前から準備し、現在建物が完成し、スタートへ向けての最終段階にあります。栃尾市の特産である“あぶらげ”から発生するおからは産業廃棄物の扱いとなり、このおからや生ゴミを有機肥料として生産・販売し、いずれは協同運営による農産物の有機栽培を展開していこうというものです。有機肥料生成をベースにした循環型社会の構築を目指した事業であります。現在5名からなるプロジェクトチームでは、試験段階の有機肥料を使い、農作物の栽培実験も行なっているそうです。野菜の種類によっては失敗もあるようですが、知識を蓄積し自力でチャレンジするという経営方針がここにも根付いているようです。