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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]有限会社小国ウッディーハウス:小国町商工会(商工連ニュース17年9月号掲載)

4月1日に編入合併し、長岡市となった旧小国町は、信濃川水系の渋海川が流れ、東西南北を山地や丘陵に囲まれた盆地を形成し、小国という名に相応しい地形となっている。そのため昔は他地区との往来が容易でなく、独自の文化や伝統が発達したところでもある。
今回はログハウスの設計・建築を行なう居ャ国ウッディーハウスを訪ね、代表取締役の板屋忠さんと建築部長の児玉一実さんにお話を伺いました。

 有限会社 小国ウッディーハウス
  住所:新潟県長岡市小国町法坂763番地1
  TEL 0258-95-3130
  FAX 0258-95-2312

ログ建築の伝承のため会社設立

 小国町のログハウス部門への取り組みが本格化したのは、昭和61年に森林組合が工場を建設したことに始まるとお聞きしました。以来、公共工事を主体に実績を積み上げてきましたが、住宅建築などの落ち込みによる需要低下や市町村合併に起因して組合が合併した場合にログ部門の切捨てが行なわれるのではないか、という不安から商工会に別会社設立の話しがあり、関連事業者等で検討を繰り返した結果、ログ建築の技術を伝承し、小国町の地場産業として発展させたいという願いを受けて、平成15年7月に会社が設立されました。現在従業員4名と協力企業でログハウスはもとより在来建築物の設計・企画・建築を行なっています。

資源の活用・快適な住宅造り

「私は建築に関する専門知識や技術は、まったく持っていません。」とは板屋社長の言葉。専門的なことは児玉部長に任せていると話されました。
 社長は長年培ってきた人とのつながりを大切にして、会社の基本姿勢を示して営業を専門に行なっているそうです。役割分担がきちんとできていることで、会社運営のバランスが保たれています。その基本姿勢とは『土地に根付いた優良な木材を最大限に活かすことで森林資源を有効活用し、木材が持っている断熱効果や湿度調整、衝撃緩和などの特性を活かした快適な住環境を提案したい』というもの。児玉部長の言葉にも表れています。「同じ自然環境で育った木材を使って、家を建てるとその気候や環境に適合した建物となります。生活スタイルが多様化している中、住宅に対するニーズも様々となり、自然志向や健康志向、癒しや安らぎを求めるようになって来ました。これらを突き詰めていくとログハウスという形が見えてきます。」

タイコ型の加工に特徴

 小国ログハウスの特徴を伺いました。「タイコ型に機械加工(マシンカット)された、二重本実加工により、美しい曲線とパッキンなしでも雨や風を完全にシャットアウトし機密性に優れているのが最大の特徴です。もちろん、地元の気候、風土で育った杉を材料にしているので、耐久性にも優れ、耐火・耐震も実証済みです。昨年の地震でも、小国ログの被害はありませんでした。また、木材をふんだんに使っていることから、その特性である調湿、断熱、遮音が自然に行なわれ、芳香や木目は気分を和らげる効果も発揮します。」と話して下さいました。丸太のイメージと違い、デザイン性にも優れているようです。

将来は職人のグループ化を

 「国や県で取組む、地元の木材使用促進策に加え、自然・健康を求める時代背景もあり、ログが選ばれるようになってきました。参入業者も増え始め拡大傾向にありますが、今は未だログ一本でいける状況ではありません。技術やノウハウを活かしながら在来建築も行なっています。まずは実績を作ることが大切」と話して下さいました。ログ建築があちこちに目立つようになれば、人の目に触れる機会が多くなり、自ずとログの売り込みにつながると考えているそうです。板屋社長は最後に「将来は、職人がグループ化することを目指しています。当地は各種の職人が多く、グループ化することによって施工スケジュールの短縮化や工事金額の低減にもつながっていく。元請から下請への一方的な指示ではなく、並列に組織されたグループの中で連絡、協議、調整しながら、ひとつの工事を仕上げていく。これが、地場産業としての育成や地域の活性化、技術の伝承につながっていくと考えています。」と話して下さいました。