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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]ホテル八鉱閣:塩沢町商工会(商工連ニュース16年10月号掲載)

塩沢町は巻機山等越後山派と魚沼丘陵地帯に囲まれた魚沼盆地の一角に位置しています。
清流魚野川や越後の山々などの豊かな自然に囲まれたこの町で、生まれた地域に誇りを持ち、自然や人を愛し、自然と身近に付き合うことを教えてくれるホテル八紘閣、社長の小野塚喜明さんにお話を伺いました。

体験民宿 ホテル八紘閣
 住所:南魚沼郡塩沢町舞妓高原507
 TEL :025-783-2319  FAX 025-783-3633

体験民宿ホテル八鉱閣

「生まれ育った地域に対する思いが強いからこそ、どこへでも飛んで行きます。」
 塩沢町の地域資源(自然や農業)を活用した“塩沢町グリーン・ツーリズム”の推進にあたり、中心的役割を果たしてきた小野塚社長は、同じ思いを持つ人達との付き合いを惜しまず、各地での講演にも快く応じている。それは、この地域を愛し、自然を大切にする思いが強いからできることであると語って下さいました。体験型の当施設には多くの方々が訪れ、食堂の壁には十数枚の写真が掲示してありました。この夏合宿に訪れた学生たちの集合写真です。思い思いの場所で撮った写真にはどれも最高の笑顔が写っていました。社長は「自分が商品」「地域のオンリーワン」「物語を演出」という三つのキーワードで理念を話して下さいました。

自分自身が商品となること

 「人が人を呼び、どんどん口コミで広がっていく。自分自身が商品となることで、できることだ」と話されました。自分が気づいていないことはたくさんあります。自分自身を見つめ直すことにより、気づいていない自分を知る。ここから自分の商品化が始まる。自分が魅力的な商品になることで人が集い、交流が生まれ、そこからまた商品として磨かれていく。館内には同業の方が体験商品として作ったドライフラワーが飾られてしました。「お互いの交流として、良い物はどんどん紹介していきたい。」と話して下さいました。

地域のオンリーワン

 ホテルの近くに森林が広がっています。自然を守るため、ここに自分で遊歩道を切り開いています。地元の人に歩いてもらい、自然を再認識してもらうことから“自然を守る”という意識を育ててきました。「今ではボランティアが集まり、協力してくれるようになった」と話されました。地域を愛し、地域がよくなることを自ら行動で示すことで地域のオンリーワンを目指しています。取材の後、遊歩道を案内して下さいました。整備途中ではありましたが、自然のままに横たわる森林と体験型の当施設、そして小野塚社長の思いが調和の取れた一体感を醸し出しているように感じました。

最高の物語を演出

 「お客様に対して最高の物語を演出してあげたい」と話す小野塚社長は、冬のある日、食事をされている方に「なぜ駐車場に水が出ているのか」と尋ねられたそうです。そこで思いつき、駐車場の水を止めてトラクターによる除雪や送迎バスの屋根の雪落としなど雪国の作業そのままを行いました。朝食中のお客様にはこれが“珍しいショー”と映り、拍手まで起こるようです。訪れた方にこの地域で味わえる最高の思い出作りを心掛けている社長は、「自然に対しては無理な演出は必要ない。当たり前にあるものを当たり前にしておくことで十分な演出効果が生まれる。」とも話されていました。遊び心から始まった“ジャンボかまくら”も桜の咲くシーズンまで物語を演出してくれています。

今後は全体を商品化

 塩沢町の自然に感動しているという小野塚社長は、「全町上げての商品化を目指したい」と話されました。その先は、新潟県全体の商品化を目標にしています。つまり、お客様が数ある地域(商品)から選んで来てくれる地域にしていきたいということです。そのために人を育てることにも積極的に取り組んでいます。自然を最大限に活用し、その自然と身近に付き合うことが体験できるグリーン・ツーリズムを積極的に推進する小野塚社長にお話を伺いました。