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商工連ニュースにいがた掲載記事

[まちの元気じるし]グランドホテルみかく:大潟町商工会(商工連ニュース15年12月号掲載)

中頚城郡大潟町にある鵜の浜温泉。南には美しい頸城の山々が連なり、北には青い海原の日本海が洋々とし、緑の松林と美しい湖沼群など豊かな自然に囲まれた人魚伝説の地です。
鵜の浜温泉グランドホテルみかくをお訪ねし、代表取締役の近藤誠一さんにお話をお伺いしました。

株式会社グランドホテルみかく
上越市大潟区鵜の浜温泉239
  TEL  025-534-2434
  FAX  025-534-4722

鵜の浜温泉の由来

 鵜の浜は昔から海水浴や地引き網漁で賑ってきましたが、温泉は昭和33年、帝国石油鰍ェ資源開発の際に湧出した温泉を利用して創めた公衆浴場に端を発しています。
 この辺りの旅館のほとんどは湯治客相手の食堂兼休憩施設としてスタートしたものだそうです。後に温泉が町に寄贈されてからはそれぞれが温泉旅館として営業をするようになったといいます。

リニューアル

 みかくもそんな旅館の一つとして創業40周年を迎え、これを機にリニューアルを実施しました。日本海を一望する一番眺めの良い部屋を大幅に手を加え「サンセットルーム」と名付けました。マッサージチェアを備え付け、バリアフリー対応とするなど体の不自由なお客様等の要望にお応えしています。
 檜造りの庭園露天風呂を新設しました。日本海の夕日を存分に楽しめるようにと屋上に設置したカナダ直送のジャグジーバスと併せて二つの癒しの露天風呂になりました。いずれも家族やグループがゆったりと楽しめるよう貸切り制にしています。お客様からの評判も上々ということです。
 同時にホームページもリニューアルしました。アクセス数が大幅に増え、問合せや予約などに手応えを感じているといいます。「最近は個人のお客様が主体になってきて、グループのお客様でも一人一人それぞれの志向が様々で、ニーズが多様化している。どこに焦点を合わせるのか正直迷ってしまうが、目線を変え、発想を転換し独自の個性を打ち出していこうと考えている。」と近藤さん。

代表取締役小使い

 近藤さんの名刺の肩書です。社長自ら館内の小使いとして一通りのことは自分でやってみることにしているそうです。「人任せではそれで終わってしまう。自分でやらないと全てがわからないから。」と館内設備にも関心を持ち、ちょっとしたメンテナンスも自分で行っています。設備や施設構造に精通することは光熱費等のコスト削減のノウハウにも繋がり、大きな効果を生んでいるとおっしゃいます。
 今回の改装にあたっても手続きや許認可等の面でいろいろと面倒もあったそうですが、自ら何度も担当窓口等に足を運び時間をかけて解決してきたといいます。

鵜の浜温泉まつり

 開湯45周年を迎え、旅館経営者もそろそろ世代交代の時期に来ています。若手経営者や後継者という仲間同士であっても、以前は創業者世代の陰に隠れがちで交流の場があまりなかったといいます。そこで近藤さんは旅館同士が連帯意識を持ち協力し合って温泉を盛り上げたいという思いから温泉祭りの開催を発案し、自ら実行委員長として取組むことにしたそうです。
 知恵を出し合い、時間をやりくりし、不慣れな資金集めも組合員が一軒一軒頭を下げて回り、ようやく開催にこぎつけた手作りイベントも初回は大幅赤字だったそうですが、今では夏の鵜の浜に欠かせない名物行事に育っています。
「回を重ねる毎にみんながすぐに集まって動いてくれるようになってきた。イベントの成功が自信に繋がり、連帯感や結束力が高まってきた。経営に関する意識も変わってきたようで嬉しい。」とおっしゃっていました。

基本の三拍子

 「夢は大きく温泉文化の海外進出。」と冗談めかしながらも、近藤さんは「みんなで協力して温泉街としての魅力を高めてお客様に鵜の浜温泉を選んでもらえるようにしたい。その上で、それぞれの旅館が独自の個性でお客様を呼び込む良きライバルとして競っていきたい。これからもみかくはずっと温泉旅館の基本である『食・泊・湯』の三拍子に徹底的にこだわってやって行くつもりだ。」と力強く語ってくださいました。